マリア様がみてる フェアウェル ブーケ

“ごきげんよう”でおなじみの“マリア様がみてる”シリーズ通算39冊目(映画版の1作目を除く)は短篇集です。

積み本が溜まっていても好きなシリーズの最新刊ってまっさきに読んじゃうんですよね(笑)(だから積み本が減らないという噂も・・・・)

まずは、各話のあらすじを簡単に紹介しますね。それぞれのエピソードは短いのであんまり書くとネタバレしちゃうので、ほんのさわりだけ。

 

【フェアウェル ブーケ】
祐巳達が薔薇さまになった1学期の終わり、出産のため休職する祐巳達のクラス担任の鹿取先生を祐巳が薔薇の館に招いてハーブティーをふるまうお話。

この本はこのエピソードの幕間に他のエピソードが挟み込まれる形になっています。

祐巳たちが登場する以外のエピソードは年代もいつの話かわからなかったり、登場人物のつながりもバラバラですが、ハーブ、クッキー、先生をキーワードにどことなくつながっているような感じがします。

フェアウェル ブーケは久しぶりに祐巳たち薔薇さま方の登場でしたね。3年生になった祐巳は落ち着いた薔薇さまという感じになり、1年生からクッキーを差し入れてもらうなど貫禄も出てきたように思います。

妹となった瞳子も以前のギスギス感がなくなり、祐巳と息があってきたような感じもしました。

2人とも成長したな~って感慨深いですね。

最後の美味しいところを蔦子さんに持ってかれちゃうところも祐巳らしいといえば祐巳らしいですね。

表紙のイラストの花束をかかえた祐巳は慈愛にあふれた感じがして素敵ですね。

 

【飴とストレッチ】
美術部員の亜深(あみ)が産休の先生の交代で来た大杉先生が催すストレッチ愛好会に参加するお話。

なんとなくストレッチ愛好会に巻き込まれてしまった亜深は、自分の中に大杉先生のイメージをいつの間にか作っていたようです。しかし、大杉先生についてのうわさ話と自分の中のイメージのギャップにショックを受けます。でも親友の助言でそんなショックを吹っ切って前向きになるというのはマリみてらしいエピソードだなと思います。

 

【プライベートTeacher】
数学の苦手な華奈子(はなこ)が、父親が雇ったリリアン女子大三年生のアケミ家庭教師の授業を受けるお話。

こちらも“飴とストレッチ”同様に華奈子がアケミとの出会いと別れで、一つ吹っ切れます。アケミが華奈子の前から姿を消す理由はちょっと苦々しいです。いくらリリアンがお嬢様を純粋培養して出荷するといえど、裏には様々な事情があるのだなとあらためて思いました。

 

【おっぱいクッキー】
クラス会帰りの元美術部員が集まり、現役時代に教育実習に来ていた天地先生が美術教師の入間先生に実習最終日にクッキーを焼いて来るようにといわれ、そのクッキーのことを語り合うお話。

元美術部員は共通の思い出を語り合うというのに、記憶がバラバラすぎるところで引っ張って、天地先生の妹さんが語ったおっぱいクッキーの真実には笑えました。天地先生と入間先生のオチもいかにもお嬢様学校らしいなという感じがして、こういうところもマリみてのサイドストーリーらしいなと思います。

う~ん、それにしてもこれまでにない大胆なタイトルだ(笑)

 

【昨日の敵】
祐巳のクラスメートで日本史が大嫌いな麻丈(まひろ)が、同じクラスメートの蔦子たちの助言で変わった勉強法にチャレンジするお話。

いつものマリみてに比べると麻丈の脳内アイドルの登場なんかは今ドキっぽい感じが新鮮でしたね。妄想とはいえ恋する乙女のパワーはすごいのですね(笑)

 

【卒業式まで】
尾上(おのえ)先生に憧れ、なんとか姉妹(スール)になりたいと憧れる毛莉(もうり)のお話。

オチはぶっ飛んでましたけど、年上の女性に憧れるというのも女子校らしいといえば女子校らしいかなと思います。スルーしまくる尾上先生のことはおかまいなしに、プッシュしまくる毛莉の若々しさが面白かったですね。この本のサイドストーリーの中では一番気に入ってます。

 

【アナウンスメント】
鹿取先生が祐巳に薔薇の館へ招かれるまでの経緯を鹿取先生視線で描いたお話。

これを読むと“フェアウェル ブーケ”の冒頭につながります。

ときとして絶妙に機転をきかせて(本人が自覚しているかどうかはわかりませんが)人を惹きつけるところは、祐巳の魅力なんでしょうね。

出産のために休職するって民間企業だったり、共学の学校だったりだと結構冷ややかな目で見られるように思いますが、それをみんなが祝福してくれるっていうのも女子校だからなのかなって少し思いました。

鹿取先生って現役の頃、薔薇さまだったのでしょうかね?(もしかしたら今までの話の中にあったかもしれません)

 

【薬香草茶話】
大学生になった祥子と祐巳が喫茶店で小笠原家の別荘で過ごす予定を相談するお話。

この二人の話はマリみての王道ですよね。読んでいて安心感がありますね。ハーブがここにつながるというのもなかなか粋な構成だと思います。

誘われたのに祐巳に気遣って遠慮する瞳子もできた子ですし、瞳子の気持ちを察している祥子もさすがですね。

ここでも祐巳のおおらかさが発揮されて、つくづくいい子だなって思っちゃいます。さすが娘にしたいマリみてキャラNo.1です(笑)

せっかくここまで書いたのですから、この続きの話をどこかで披露していただけることを願っています。

 

2012年05月02日読了

★★★★☆
短篇もいいけど、祐巳達の薔薇さまっぷりがメインの長篇も読みたいなーとか思いません?

 

マリア様がみてる フェアウェル ブーケ
今野 緒雪 (著), ひびき 玲音 (イラスト)
集英社 コバルト文庫
2012年04月28日発売

今野 緒雪 , ひびき 玲音