聖剣の刀鍛冶16

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本編のヴァルバニルが封印され、群衆列国との戦争が終結した、後日談になります。

【あらすじ MF文庫J公式サイトより】

ヴァルバニル戦後――大陸を描く番外編

鉄を集める旅に出るセシリー、ルーク、リサ。道中はさながら新婚旅行のような雰囲気だ。途中、流星群が観測されたという噂のある軍国に立ち寄り、シャーロットが流星の引き上げられた港まで案内してくれることになるのだが、出発前に現れたのはシャーロットに扮した軍国の少女王ゼノビアで……。一方、件の港には、新大陸からの女使者が交易を求めて、海賊たちが荒ぶる海域を越えて来港していた。港の男と渡り合う剛胆な彼女の正体は――!? アリア・リサ再会までの300年を駆け抜ける、疾風怒濤の番外編、つかまつる!!

【読み終わって】

番外編とうたってはいますが、ヴァルバニル戦終結後の立派な続きになっています。

この本は3つのエピソードからなっています。

エピソード1 新世界からの女

ヴァルバニルを封印した魔剣アリアを蘇らせるのに必要な材料“隕鉄”を求めて、3人は新婚旅行と慰安旅行を兼ねて旅に出ます。その旅の道中の話です。

とにかくセシリーのデレっぷりが男前すぎます(笑)

軍国の女王ゼノビアがお忍びで合流したり、セシリーがどこかでみたような顔の女性と偶然出会ってみたら、とんでもない人だったりで、ドタバタ加減がセシリーやルークのこれまでの破天荒さをうまく表していますね。

偶然が偶然を呼ぶご都合主義と言ってしまえばそれまでですが、新しい時代を切り拓いていこうというセシリーやゼノビアの前向きさはとてもすがすがしいですね。

エピソード2 すれ違う彼ら

ユーイン・ベンジャミンは地下牢に閉じ込められ、同じ地下牢に閉じ込められた魔剣ヴェロニカと出会う。

また、戦犯の押し付け合いで内紛が起きている群衆列国の様子を探ろうと、独立交易都市のヒルダ、ヘイゼル、軍国のドリス、マーゴット、ペネロペは共同でその国を訪れる。彼女たちは、行くあてのない旅をしている、前の戦いの敵国帝政列集国の戦士ホレーショーと魔剣ヴェロニカの使い手であったノアの二人組に出会い、彼女たちと彼らはユーインとヴェロニカを救うために共闘することになります。

前の戦いでルークと大太刀周りを演じたホレーショーがルークが全力を振り絞る姿に憧れたというのは、男気があっていいですね。

エピソード3 聖剣の刀鍛冶

セシリーはルークの子を出産しますが、しばらくしてルークは亡くなります。

やがて、セシリーはリサに自分が幸せになるのなら選択の自由がある。自分たちが託した魔剣アリアの復活もその自由の障害になるならやめてもいいと遺言し、息を引き取ります。

ルークとセシリーの子孫に刀鍛冶を教えながら面倒を見るリサのところにユーインがやってきて、魔剣アリアの復活のヒントをくれ、リサは自分の意思で魔剣アリアの復活を目指すことにします。

悪魔のリサは人間より寿命が長いため、多くの命の誕生と、人の死をメにしながら、300年間アリアの復活までずっと孤独に耐えなければなりません。

ヴァルバニルの寿命が近づいていること、ヴァルバニルが果てればその霊体を生命源としている魔剣や悪魔も命が尽きてしまうことを知り、これまでの長く重い孤独とあわせて心が折れそうになってしまいます。

なんとか自分の名前を冠した魔剣の精錬に成功し、弟子でもあるセシリー達の子孫とアリアを救いにヴァルバニルに向かいます。

それだけの孤独に耐えてきたんだから、最後はリサにご褒美をあげてもいいと思いますよね。ルークとセシリーと過ごした日々も幸せだったのだけど、リサ自身の幸せも掴んで欲しいですよね。

最後の数ページは映画のエンドロールみたいに今までの登場人物の名前が書き連ねられていて、粋な感じがしました。

聖剣の刀鍛冶16

著者:三浦勇雄
イラスト:屡那
メディアファクトリー MF文庫J
2013年8月23日発売

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