神様のメモ帳 7

【あらすじ】

クリスマスが近づき、探偵事務所のそばにあるホームレスが暮らす公園では企業と区がタイアップして改装工事が始まろうとしていた。

そんなある日、公園の開発に関わる企業のイメージキャラクターとして売り出し中のアイドル“夏月ユイ”がNEET探偵事務所にやってきます。

ユイは“撮影中に子供の頃に失踪した父親らしき人物を公園で見かけ、その父親と合わせて欲しい”とアリスたちに依頼します。

その父親と思われる人物は、少佐と親しくしているホームレスの連中の一人で仲間からはギンジと呼ばれています。

時を同じくして、公園のホームレスたちがエアガンで武装したグループに襲われるという事件が起きるようになり、ホームレスたちはその公園から離れていきますが、ギンジだけは一人残ります。

エアガンで武装した連中のことを少佐は“自分一人で片かたをつける”と探偵のグループから離れて一人で行動します。

そして、捜査が進んでいったある朝、ユイの父親と思われる首のない死体が公園で発見されます。

 

【感想】

今回は暴力団絡みの話ではなく、謎の死体が発見されるといういつもと違うミステリアスな感じでした。

ホームレスというのは単に住む家がないというだけではないようですね。
ホームレスの誰かはエアガンで自分達を襲った連中のことを「ヤツらだって、帰るところがないんだ。そういう意味では自分達と同じだ」と語ります。
心のなかで自分が帰る場所がないというのは、ホームレスでなくても誰もが多かれ少なかれ感じていることなのかもしれません。

ギンジさんはユイ達家族を捨てたももの、マジックのかけられた小屋が彼にとっての「ホーム」だったのですね。そして家族や過去との柵と自分を断ち切ろうとしたけども、なかなか断ち切れずにために仲間に頼んだと思うと切なく感じます。

生きた父親と会えることがかなわなかったユイが最後に歌を作るところは、父親への愛情があふれていますね。

少佐は遊びの域から出ないことにこだわり、それから逸脱した行動を処罰しようとするところはニート志望の彼らしいですね。

今回は依頼人が魅力的だったため、アリスの照れ隠しの罵りもいつも以上でしたね。デレるアリスは登場するのでしょうか?(笑)

今回は、カラー口絵のアリスとユイがめちゃめちゃ可愛いですね。

2012年10月02日読了
★★★★★
彩香の「ぼくはニート探偵、死者の大便だ」には思わず噴きましたw

神様のメモ帳〈7〉
杉井 光 (著), 岸田 メル (イラスト)
アスキー・メディアワークス 電撃文庫
2011年07月08日発売

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