“不思議”取り扱います 付喪堂骨董店 6

【あらすじ】

付喪堂骨董店でアルバイトをしている刻也と咲は市民ホールでいろんなグループが次々に出演するコンサートを聴きに行きます。

そのコンサートにはかつて2人組の人気歌手だった双子姉妹からソロデビューした妹の真理亜が出演するということです。

コンサート会場で刻也は以前幸運のバングルに係る事件のとき、学校の体育館に現れた少女を見つけ後を追いたどり着いたところは真理亜の楽屋でした。

真理亜は刻也に姉が自分の声を奪いに来たと話をし、姉が残していったアンティークを刻也にあずけます。

そして、真理亜のステージが始まろうとしたとき、ステージで事故が起こるのでした。その事故は先の体育館で飛鳥を連れていた駿と飛鳥たちがアンティークの力を使って起こしたものです。

その後、刻也のアンティーク“ヴィジョン”は咲の身の危険の映像を刻也に見せ、刻也は警戒のため咲の買い物に付き合います。その帰り、目の前で自動車の事故が起き、刻也はその付近に飛鳥の姿を見つけて、再び後を追います。しかしその隙に咲は駿に連れ去られてしまい、刻也は咲を取り戻そうと駿たちと直接対決することになります。

また、この話とは別にこの物語の始まりとも言える咲と刻也が出会いや、咲の過去についても明かされます。

 

【感想】

このシリーズおなじみの4本の短編で構成されてはいますが、これまでの巻とは違い一つの続き物の話になります。面白いことは面白いのですが、あとがきで次巻で完結することを知ってしまうと、幕引きへ向けての助走なのかちょっといくつかのシチュエーションの結末が中途半端な感じもあります。

最初の姉妹の話は嫉妬や愛情への飢えが招く、このシリーズらしさのある不条理なストーリーでした。真相が明かされるまで二転三転するところは読み応えがありました。

ステージの事故のあと刻也のヴィジョンは何度か映像を見せるのですが、その映像には何か違和感があるように感じました。

そして、このシリーズでは珍しく、アンティークを集めてその力で世界を変えようとする駿と、アンティークは人を不幸にするから使うべきではないという刻也が直接対決になります。憎しみのあまりアンティークの力に依存しすぎ性格が破綻した駿が、一心に咲を助けたいと思う刻也を追い詰めていく戦いはハラハラしました。

しかしながら決着はあっけない感じもしたので、次の巻でも駿がなにか絡んでくるような気もしますし、もっと強大な何かが刻也と咲に立ちはだかるのかもしれません。

そして、咲の眼はアンティークの義眼であったことが判明してビックリなのです。

その後、咲は刻也との出会いやさらに咲がアンティークの義眼を手に入れた頃の話になります。

しかし、出会いの話では、同じ場面を咲視点、刻也視点で繰り返して描いているのですが、ちょっとずつズレがある感じがします。それも刻也のヴィジョンが見せた映像と現実の未来のズレと関係あるのでしょうか?

これを読めば咲がベタぼれするのも納得です。そして咲の持つアンティークの能力は始まりの話にビックリでした。

さらに最後に登場した少女とは誰なのかものすごく気になる終わり方でした。

次の巻で終幕ということですが、つらい過去を背負い痛々しい思いをしてきた二人にハッピーエンドが訪れるといいですね。

 

2012年08月22日読了
★★★★★4.5
34秒きっちり数えてるって笑えました。

 

“不思議”取り扱います 付喪堂骨董店 6
御堂 彰彦 (著), タケシマ サトシ (イラスト)
アスキー・メディアワークス 電撃文庫
2009年10月発売

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