東雲侑子は全ての小説をあいしつづける

東雲侑子も三並英太も高校3年となり、進路のことを考える時期となりました。

侑子は進学を決めていますが、特に得意なこともやりたいことも見当たらない英太は迷います。

しかも侑子はすでに小説家でもあることから、英太は彼女に対して引け目を感じてしまいます。

そんな日々を過ごす中で英太と侑子は、前に英太に告白した喜多川や、図書委員の後輩の副島(そえじま)から、恋愛の相談を受けます。

侑子はそんな恋の悩みを聞くのははじめてで、小説の参考になればと興味を示します。

そして夏休みが近づき、英太は侑子と旅行に誘います。

 

英太に恋の相談をする女の子たちが恋に真面目で一生懸命なところがなかなか良かったです。また恋の行方がどうなるかわからなくても、侑子が小説という形に残してくれることに期待します。

今、この瞬間の気持ちは偽りのない純粋な気持ちなのだと自分でも言えるほどに、恋に一生懸命なのでしょうね。

またそんな彼女たちの様子をみて、英太も自分の将来について少しずつ考えられるように変わっていきます。

英太とイチャラブ度が高くなった侑子はこれまでになく可愛さ増し増しです。

英太が旅行に誘った際に、侑子は「それでいい、じゃなくて……。それが、いい……」と言います。もう、そんなこと言われたら普通は抑えられなくなっちゃいますよね。でも悶々としながらも最後の一線を越えないと決めた英太が侑子を思いやる気持ちもいいですね。

旅行中に英太がアメリカ行きの話をした時の侑子の「ずるい」にはグッと来ちゃいました。

そ して、侑子は恋の相談をもとに「恋愛学舎」という小説を書きます。海外にいる英太のもとに侑子から本がとどきます。そこに添えられた手紙には「長編小説を 書くまで一緒にいてくれる」という昔英太と交わした約束について、「長編小説を書いてしまうと、その瞬間に全てが終わる」のが怖いとあります。一途でけなげなところがいいですよね。

この先二人の気持ちが続いてくれることを願っています。本篇は完結で無理に後日談などなくてもいいなと思います。

でも侑子と英太のその後よりも、サブヒロインたちがの恋バナSSというかむしろ西園幽子の「恋愛学舎」を全文読んでみたいです。

3巻という比較的短いシリーズでしたが、なかなかの良作でした。

 

2012年06月02日読了

評価:★★★★★
旅行のことで英太にもろもろの注意をする有美(ありみ)お姉ちゃんもなかなか可愛らしいですね。

東雲侑子は全ての小説をあいしつづける
森橋ビンゴ (著), Nardack (イラスト)
エンターブレイン ファミ通文庫刊
2012年05月30日発売

 

1作目の感想はこちら

東雲侑子は短編小説をあいしている

2作目の感想はこちら


東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる

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