輪るピングドラム(下)

輪るピングドラムの原作小説も最終巻となりました。

冠葉、晶馬、陽毬の高倉家三兄妹はそれぞれに自分が生きていることに対して受ける罰を意識し始めます。

組織の仕事を引き受け、陽毬の治療費を稼いでいる冠葉に対し、主治医の渡瀬 眞悧は”薬は使っているうちにだんだん効かなくなってくる、この薬はもう効かない”と冠葉に告げます。

冠葉は陽毬を助けようと、組織の仕事は過激さを増していきます。そしてそれを晶馬はそれを止めようとする中で、三人の出会いの回想が織り交ぜられ、やがて三兄妹の関係は壊れてしまいます。

そして、冠葉は陽毬を救うため、組織の計画を実行させようとし、運命の列車は彼らを乗せて走り出します。

アニメが先行しているのでアニメと比べてしまいますが、冠葉、晶馬、陽毬が家族になるまでの経過や、その関係が壊れていく様子がよく分かります。

また、多蕗桂樹と時籠ゆりの荻野目桃果を死に追いやった事件の首謀者へ復讐の様子、実の兄の愛情を取り戻したい夏芽真砂子と冠葉の関係や、彼らの過去も明らかになっていきます。

特に高倉の3姉妹の関係が壊れていく様子には運命の不条理さを感じないではいられないです。

多蕗がゆりに言った「誰かの『愛している』という言葉が必要だったんだよ」がこの物語の全てを物語っているような感じがします。

そのためにそれぞれが愛を守ろうと何かにしがみつき、その代償を受けます。いろいろな形の愛が生まれて壊れて再生していく物語は、読むごとに解釈が変わってくるような深いものがありますね。

 

2012年03月05日読了

★★★★★

自分としては晶馬と苹果は結ばれて欲しかった
輪るピングドラム 下
幾原 邦彦、高橋 慶 (著)
星野 リリィ (イラスト)
幻冬舎刊
2012年02月29日発売

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