顔のないスパイ

“ゴメン、結局誰が本当のカシウスかわかりません!”

メキシコ-アメリカの国境で、謎の集団が国境警備員を殺害し、メキシコからアメリカに渡りました。その数カ月後ワシントンで、ロシアと密接な関係を持つ上院議員が暗殺されます。その殺害の状況から浮かび上がったのは、死んだとされている冷戦時代のソビエトの伝説のスパイ“カシウス”でした。

CIA長官ハイランド(マーティン・シーン)は、カシウスをリーダーとする暗殺集団の追跡をし、引退したエージェントのポール・シェファーソン(リチャード・ギア)を呼び戻します。そして、議員を監視し、大学でカシウスの反抗について論文を書いたFBIの若手捜査官ベン・ギアリー(トファー・グレイス)と組ませ、事件解決にあたらせます。

というのがこの映画のあらましなのですが、正直この映画どこを書いてもネタバレになりそうなので悩んでしまいますよ。

チラシでも予告でもポールがカシウスだと言っているので確定事項なのですけど、カシウスの捜索が始まって割と早い段階にポールは自分がカシウスだということを観客は知ってしまうんです。

そうすると、ベンがポールがカシウスだということをどのように気づくのかが気になってきますよね。

でも自分の中ではいろいろな疑問の答えが二転三転し映画が終わってから、本当にポールがカシウスだったのかと疑問が残ります。

この作品の原題は“The Double”で、二重スパイというだけではなく、人間の二面性も意味しているのだと思います。

カシウスは自分の脅威になるものは全て抹殺する人物らしいです。すなわちカシウスに近づくことは、ベンだけでなく彼の家族の命も脅威にさらされることになります。要するににベンがこれ以上カシウスのことを嗅ぎまわるなら、ポールはベンやベンの家族を殺してしまうかもしれないのです。

ポールはベンにこの仕事から手を引けと何度も忠告する ばかりではなく、ベンの妻にまで“夫がいつ死ぬかわからないような生活に耐えられない”と訴えて彼に身をひかせるように説得しようとします。

自分がベンを殺してしまうかもしれないのに、お前の命が危ないからこの操作から身を引けというのもすごく矛盾している感じがします。(スパイの世界は騙し騙されですからそれが当たり前なのかもしれませんけど)

ポールがカシウスだといってはいますが、自分がリーダーのグループなのに、掟を破ったことへの制裁としてポールの妻子が殺されてしまうというのもおかしいような気もします。(リーダーだろうが誰だろうが掟を破ったものには必ず制裁をというルールなのかもしれませんけど)

そんなことを考えていると本当にポールがカシウスだったのかと鵜呑みにできない複雑な気分になります。

また、ベンにもあっと驚く秘密がありますが、さすがにこれは書いてはいけないですよね。彼のバックにいる人こそがカシウスのような気もします。また、ベンの秘密を知っているからこそラストでハイランド長官は“あえて”ベンにCIAに来ないかと声をかけたようにも思います。
カシウスは生きているのか、その正体は?議員を殺した犯人は?など話は二転三転していきますが、終盤はうまくまとめ切れなかったような感じはちょっと残念かなと思います。
リチャード・ギアといえば自分の中ではラブコメの定番俳優みたいな感じで、こういう映画の主役に向いているのかなとか思いました。
もう引退したんだからゆっくり過ごさせてくれよといわんばかりの平凡な男を装っていたかと思うと、冷徹な殺し屋に様変わりするというギャップはなかなかよかったなと思います。しかしメチャメチャ走ってたけど元気だなー。

★★★☆☆
あのムダに長く派手なカーチェイスは必要だったのか?
2012年02月25日 ユナイテッド・シネマ新潟にて鑑賞

原題:THE DOUBLE
監督:マイケル・ブラント
脚本:デレック・ハース、マイケル・ブラント
出演:リチャード・ギア、トファー・グレイス、マーティン・シーン
2011年 アメリカ作品

リンク
“顔のないスパイ”公式サイト
顔のないスパイ@ぴあ映画生活
象のロケット

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