ドラゴン・タトゥーの女

“陰鬱でショッキングなストーリーとダークなヒロインの魅力に惹かれます”

スウェーデンの雑誌のライターのミカエルはとある実業家の資金工作について記事を書いたところ、名誉毀損で訴えられ有罪となり賠償金の支払いのため財産を失います。

また、彼の結婚生活は崩壊していて、編集長の女性と付き合っています。

そんな疲れきった彼のもとに国内有数の財閥ヴァンゲルの元会長ヘンリックから自分についての本を書いて欲しいと依頼があり、彼らの一族が住む島を訪れます。

しかし、ヘンリックの真の依頼は40年前に一族の娘のハリエットが殺された犯人とその動機を究明して欲しいというものでした。

また、名誉毀損の裁判の関連でミカエルのことを調査していたリスベットは天才的な情報収集と分析能力を持っていますが、精神障害があるため被後見人となっていて、顔色が悪く病的に痩せこけ、耳や顔にたくさんのピアスを付け、肩から背中にかけてドラゴンの刺青をしている女性です。

ミカエルは手がかりを感じつつも確信が得られない中、一族の弁護士からリズベットを紹介されます。リスベットは能力は高くても自分が興味を持てない仕事には手を出さない正確なのですが、不思議とこの事件には興味を示します。

そして、リスベットはハリエットの手帳の最後のページに残されたアルファベットと数字は観解決の連続殺人事件と関連があることをつきとめます。しかし、真実に近づこうとしていく中でミカエルは身の危険にさらされていきます。

先週末は新潟では雪のため電車がほぼ一日運転見合わせになって思い通りに出かけられなかったり、休日返上で仕事をしなければならなかったことや、ここしばらく神経質な仕事でストレスも溜まっていたため、映画を観たくてしかたありませんでした。

明日から2週間ほど石川県内を何箇所かまわる出張なのですが、明日雪で新潟からの列車が運休になると仕事に大きく影響するため、安全を見て一日前倒しで金沢に入りました。

普通列車は運休や遅れが目立っていましたが、特急は無事に動いたので、早い時間に金沢入りできたので、早速ホテルにチェックインして荷物をおいて、映画に出かけました。明日から気分的にハードな日程が続くため、いい息抜きが出来ました。

この映画は2時間40分とこのごろの映画としては長めですが、途切れない緊張の連続であっという間に終わった感じです。

オープニングはレッドツェッペリンの“移民の歌”のカヴァーとともに、女性の体やデジタルガジェットに黒くてドロっとした液体が絡んで、エロさというか危険な雰囲気がプンプン漂ってきます。血塗られたヴァンゲル一族やリスベットのダークなキャラクターを美しい黒で描き出していて、映画の陰鬱とした雰囲気に引き込まれます。この映像の美しさは劇場でなければ体験できないと思います。

物語は終始陰鬱なムードで、ハリエットの事件の真相に近づけば近づくほど次々に新たな謎が発覚してきて、いつ真相を究明できるのかともどかしくなります。また、ミカエルが事件について調べていくシーンと、リスベットが後見人や身元保証人と会ったり、仕事をする場面が交互に展開され、二人がいつ出会うのかかなり焦らされます。

でも、どういうわけか事件の真相に関わる事実やリスベットの身の上に起こる出来事などショッキングなシーンがこちらの心をスクリーンに釘付けにしてしまうのです。

終盤は幾つかのエピソードがたたみかけるように驚きの結末を迎えます。

ミカエルが事件の犯人だと思っていた人物が車の事故で死んでしまい、真相は迷宮入りなのか思いきや、リスベッドの鋭い分析であっと驚く真実が明かされます。

また、冒頭でミカエルを訴えた実業家は単なるプロローグではなく、ラストではこの出来事も回収されるところは、なかなかひねりが効いていますね。

そして、ラストのラストは人格障害で人とうまく関われなかったリスベットが、ミカエルに淡い想いを抱くのですが、ミカエルの何気ない嘘に傷ついてしまいます。全編を通じてクールで強い感じの女性でしたが、このような弱さや繊細さを持ち合わせているところが、より一層リスペッドを魅力的にしていると思います。

ミカエルを演じているのはジェームズ・ボンドでおなじみのダニエル・クレイグです。家庭を失い、裁判で負けて賠償金で財産を失った負け組の中年の苦々しい表情がなんとも渋くてかっこいいですね。

でも、リスペッドを演じたルーニー・マーラの役作りと演技はとってもダークかつクールでかっこ良かったです。リスペッドのキャラクターそのものが異常な感じなので、それだけでもキャラ立ちするとは思うのですが、ルーニー・マーラが見事に演じきっています。“ソーシャル・ネットワーク”ではザッカーバーグのガールフレンド役を演じていましたが、その時はあまり印象が強くなかったのに、このキャラクターは強烈ですね。

この映画は以前に“ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女(2009年スウェーデン作品)”という映画をデビッド・フィンチャー監督がリメイクしたということです(オリジナルは観たことはないです)。映像は特別なアクションや凝った仕掛けがあるわけではないのですが、登場人物の表情を精密に描いているように思います。特に雪に閉ざされたスウェーデンを舞台にしているところなんかはこの物語の陰鬱さをより印象的にしていると思います。こうした映像表現はさすがフィンチャー監督といえるでしょう。

音楽もなかなかいい感じになっていて、ノイズを使ったアンビエントなサウンドやロックやクラッシックなどがメリハリを効かせていてここも見所だと思います。

原作の小説は3部作になっているとのことで、映画も3本製作されるようです。ダニエル・クレイグはミカエル役で3作に出演することに契約しているとのことですので、実現する確度は高いのでしょうね。続編が本当に楽しみです。

おすすめ度:★★★★★

ダークでクールだけど、脆さや繊細さを兼ね備えた新たなヒロインに注目です。

2012年02月11日 イオンシネマ金沢フォーラス店にて鑑賞

原題:The Girl with the Dragon Tattoo
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:スティーヴン・ザイリアン
原作:スティーグ・ラーソン
2011年 アメリカ・スウェーデン・イギリス・ドイツ映画
R-15指定

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ドラゴン・タトゥーの女 公式サイト

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【おまけ】

昨年の秋に金沢に来たときに金沢カレーが気に入ってしまい、やっぱり映画を見終わった後に食べに行きました。

今日はその時に気になっていた、ゴールドカレーの“ミルフィーユカツカレー”を食べてきました。デミグラスソースがきいたルウと思っているよりサクサクと口当たりの軽いカツがよくあいますね。

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