東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる

前巻の“東雲侑子は短編小説をあいしている”で完結なのかなと思っていたら、まさかの続編が刊行となりうれしいですね。(前巻の感想はこちらをご覧くださいね)

前の話は、侑子は取材のために英太に擬似カップルとして付き合って欲しいと頼みますが、徐々に二人はひかれあって、本当に付き合うことになりました。

二人が付き合いはじめたことで、二人ともクラスメイトからあれこれ声をかけられるようになります。

特に男子からの人気がダントツで容姿も華やかで演劇部員の喜多村絵夢(えむ)は、しょっちゅう英太に声をかけるようになり、“侑子に文化祭の演劇部の劇の台本を書いてもらえるように頼んでくらないかと”英太に頼みます。

プロの小説家の侑子は気分転換になるかもしれないと台本の作成をひきうけます。

また、英太の兄の彼女の有美(あるみ)もある日英太を呼び出し、英太の兄のことで心配なことがあると相談を持ちかけます。

そして、英太達は修学旅行へ沖縄に行くのですが、ある夜英太は絵夢に告白されるのでした。

 

英太も侑子も外交的な性格じゃないため、付き合っているとは言っても、お互いに言葉は少なくただ一緒にいるだけです。また小説がスランプな侑子に気を使って英太はデートに誘うこともなかなかできないでいます。

クラスメイトからチヤホヤされればされるほど、英太は自分は侑子が好きなのか自信がなくなっていき、侑子は自分のことをどう思っているか不安に感じるようになります。

前の巻での流れで付き合ってはみているものの、周りからあれこれ言われれば言われるほど、本当に自分は侑子が好きなのかということに自信が持てなくなり、また侑子の気持ちにも不安になっていきます。

そのお年頃では、付き合い始めたけど付き合うってどういうことかもよくわからないし、相手の気持を確かめたり自分の気持を伝えるのもなかなかうまくいかないよねというのは自分の経験談でもあったりします。

有美の心配事は、いつもは人付き合いや家事に無関心な兄のとある行動で元に戻ります。気持ちの通じ合っている二人の間には言葉にしなくても何か通じるものがあるのですが、英太にはそれがまだわからないようです。

そんな時に絵夢の積極的なアプローチで、英太と絵夢は映画を観に行くことになるのですが、そこでばったり侑子に出くわしてしまいます。

侑子が書き上げた劇の台本は、言ってみれば今の侑子と英太の状況をモチーフに、男女を入れ替えたような内容でした。

絵夢とあそびにいっていた時のハプニングと、劇の台本がきっかけになり侑子と英太はお互いの気持を伝え合うのは、青春しているなと思います。

鈍感な英太も少しずつ侑子のことがわかってきて、プラトニックなハッピーエンドって感じですね。

物語は英太の視点で英太が何を思っているのかはわかりやすいですが、侑子や口数も少ないため、なかなか文章からは彼女の気持ちはよくわからないです。物語を読んだ後に各セクションのはじめにある“いとしくにくい”をもう一度読み返すと侑子の気持ちがよく分かるという仕掛けは前回と同様ですが、物語を二度楽しめるという感じでとても良いですね。

あまり活発ではなく表情も豊かな方ではなく、感情表現も控えめな侑子ですが、Nardack先生の扉のイラストは萌えますねぇ~。

2012年1月11日読了

評価:★★★★★

東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる
森橋ビンゴ (著), Nardack (イラスト)
エンターブレイン ファミ通文庫刊
2011年12月26日発売

 

前巻はこちら

東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)

 

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