新潟メサイア合唱協会第44回公演

年末の音楽といえばベートーヴェンの交響曲第9番を思い浮かべる人も多いと思います。

でも、僕の中では新潟の年末の風物詩はGeorg Friedrich Händel(ヘンデル)のMESSIAH(メサイア)だと思っています。

今日(12/18)新潟メサイア合唱協会による第44回の公演が行われ、聴いて来ました。

この演奏会は前身の新潟大学コールアカデミーを含めて40年以上続いていて、新潟市のアマチュア音楽やコンサートホールの歴史と言っても過言ではないと思います。

ちなみに“メサイア”というのは、旧約聖書と新約聖書を基に、イエス・キリストの誕生、受難、復活を描いたオラトリオです。オラトリオというのは言ってみれば、ある物語を演技せずに音楽だけで表現するというものです。

 

新潟メサイア合唱協会常任指揮者の久住和麿先生(新潟大学名誉教授)は、今年3月4日に天上の人となりました。彼は指揮をするだけではなく、楽曲を研究し、それに基づいた解釈でアレンジを加え、毎週の合唱の練習指導や東京のオーケストラやソリストとの調整などを精力的にこなしていました。

僕が新潟大学に在学(1987~1991)していたと先生は作曲や音楽理論の教授でした。自分にとっては彼の授業よりもコンピューターを教えてくれたことで最も影響を受けた人の一人といえます。

僕は1990と2008年に合唱隊に混ぜていただきました。2008年に参加したときにはほぼ20年ぶりにも関わらず、暖かく迎え入れて下さいました。練習の合間に近況など話す機会がなかったので、大学卒業後どんなふうにしていたのかメールで知らせたところとても喜んでくださったのは強い思い出です。

しかし精神的な病気でなかなか頑張りが効かない自分には思っていたより負担が大きく、もう少し心身のコンディションがよくなっるまでは参加を見合わせていましたが、復帰できる状態の前に先生が亡くなられたのは本当に無念でした。今回の公演は先生の追悼公演になるのでステージに立ちたいと思っていました。

この合唱の練習は例年8月の暑い時期から始まります。しかしながら夏頃から精神面の調子を崩してしまい、安定してきたと思ったら風邪をこじらせ、万全な状況になったの本番の1ヶ月前でした。

それから練習に加わっても、本番までに仕上げるのはかなりとなることや、夏から練習を積み重ねている皆様の足を引っ張るのではないかという懸念から、時間切れと判断して、合唱隊への参加は諦めました。

毎週末映画に行くくらいならそれくらいできるだろうと思う方もいらっしゃるかと思いますが、日々のストレスなどを映画で発散することで心のバランスをとっているのが本当のところです。

大勢の中の一人とはいえステージに上がるにはそれなりの覚悟が必要なのです。本番までの間日々自分で練習するのは当然であり、本番に向けて心身の管理に意外と神経質になったりして、結構負担が大きいのです。

そんなことで、今回は残念ながら客席から公演を見守ることにしました。

 

今年の演奏は久住先生の追悼公演と冠がつきました。一時期は今年の演奏会は開催するのか?誰が指揮をするのか?などの議論があったようです。今回は東京バッハカンタータ・アンサンブル主宰者でビオラ奏者の李 善銘氏の指揮で演奏されることとなりました。

久住先生をはじめ新潟メサイア合唱協会と東京バッハカンタータ・アンサンブルは付き合いも長く、李氏もビオラ奏者として何度も新潟でメサイアの演奏に参加しているということです。

さて、今年の演奏ですが、若干ゆったりとした感じはあったものの、それでも久住先生のアレンジや解釈などよく継承さてていたと感じました。

また、合唱の方も発声のトレーニングを積んだのか、今までよりも雑味が少なく柔らかな歌声になっていたと思います。

まさに久住先生を追悼するにふさわしい、素晴らしい演奏でした。

しかしながら、久住先生の後継者の問題をはじめ様々な事情で、この演奏会も今回をもって最後ということです。

それだけに久住先生の功績の大きさをあらためて感じました。

そして、演奏会は継続しないということから一つの時代が終わったのだなとあらためて実感しました。

毎年毎年この一曲だけの演奏を目的に力を注ぎ続けてきた久住先生や協会の皆様、関係者の皆様へ敬意と感謝を伝えたいと思います。

 

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新潟メサイア合唱協会

 

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