神さまのいない日曜日VI(6)

前の巻でアイたちは封印都市が一年経つとリセットし、同じ一年を繰り返すというタイムループを解き放ちました。しかし、アリスの願いに反して彼を救ってしまいます。

この巻ではタイムループから解き放たれたオスティアの街の復興が進む中、アリスとアイはなんとなくすれ違い、アイの気持ちは落ち込んでしまいます。

かつて学校の敷地だったところには封印都市が残した漆黒の面があり、生者の人々は何かに惹かれ、次々にその黒面の中に入っていきます。

そんなときに魔女旅団(カヴン)と名乗る異形の集団が現れ、世界を救う罪を裁く魔女裁判が開廷します。

 

アイが夢見る“世界を救う”というのは、誰の願いを取りこぼしてしまうというものでした。

しかし、アイは自分の気持ちでアリスの“自分を葬ってほしい”という願いをきかずに彼を生かしてしまい、そのことで自分の夢を見失い、失敗したのだとひどく落ち込みます。

アイは自己嫌悪にどんどん陥ってしまい、人の笑顔や優しさも受け入れることが出来ず、そうした言葉や行為が彼女の心に痛く突き刺さるという様子は、今まで真面目すぎるほどに自分の夢に向かって邁進してきたことの反動なのかもしれないです。

鬱々とはしていますが、夢に対して挫折感を抱えて鬱々とする描写は、成長過程ならではの感じがして自分は好きです。

死者から蘇ったアリスは裁判で自分が封印されることを望みますが、彼は都市がタイムループをしている間、独りでこの街が復興した時のための資材をかき集めて隠していました。

街の人々はそのことに感謝をし、裁判を覆します。ディーが言うようにこの先はオスティアとガヴンの戦争になるのでしょうか?

また、かつては“西方の魔女”と恐れらた幽霊のディーは、封印都市では幽霊だった頃の能力は失い、実体化し普通の人間の女の子になりました。彼女はアリスの決めたことは自分の意に反していても認めてきました。今回も裁判の時にアリスが言ったことに対してもそうでした。でもディーは自分の思いをアリスに伝えることができないでいるようです。その理由は何なのか気になります。

“ただアリスと生きていたい”という思いを伝えたアイと、アリスへの思いを伝えられないでいるままのディーのラブバトルはこの先勃発するのかも楽しみなところです。

今回の表紙のアイのイラストはちょっと成長した感じがしていいですし、ディーも可愛いですね。色使いがとても素敵です。

 

神さまのいない日曜日VI
富士見書房 富士見ファンタジア文庫刊
2011年11月19日発売

2011年12月5日読了

 

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