鬼物語

“八九寺いぃぃぃぃぃぃ~(´;ω;`)ブワッ”

この物語は傾物語(かぶきものがたり)で阿良々木暦と吸血鬼幼女の忍野忍が八九寺真宵を助けるためのタイムトラベルから戻って2学期の始業式をサボってしまったところからの話です。

暦は八九寺真宵との再開をよろこび、楽しく駄弁っていると、突如“黒い空間”が現れます。

直感的に危険だと感じた暦は真宵を自転車に乗せて“黒い空間”から逃げようとします。しかし、暦たちは“黒い何か”に飲み込まれそうになります。

そこに偶然出くわした斧乃木余接(おののきよつぎ)に助けられ、例の学習塾へ逃げ込みます。

そこで暦とペアリングしている600歳の吸血鬼幼女の忍野忍が“キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード”として絶頂期だった400年前の体験を語り始めます。

 

実はこの物語のサブタイトルは“しのぶタイム”といいますけど、半分は忍の過去の話、半分は暦や真宵たちが“黒い空間”から逃れようとする話です。

いままでの怪異の話は誰かから伝え聞いたというものでしたが、今回は忍が自らの体験を語るという意味では外箱に貼ってあるシールに書かれているとおり“現実味あふれる”ものだと思います。

でも一方では忍が映画化される“傷物語”の告知をおりまぜた強引なボケと暦のツッコミの会話を言っているかのように思えますね。

キスショットは人知を超える能力を持つあまり、気まぐれに神を装い、怪異の理から外れてしまったのも 孤独と退屈が鬱積していたからなのでしょうね。

しかしながら、何百年も変化に乏しい生活を送っていて時間感覚がとてつもなく長く、物事を覚える気がなかったともいえる忍のテキトーに作った部分への暦のツッコミがなかなか笑えますね。

話は変わって暦と真宵が“黒い空間”から自転車で逃げようとするところで、どさくさ紛れに自分の欲求を満たそうと真宵にあれこれ変態チックな指示をし、真宵がそれを必死に実行するところは、二人ならではの笑いどころですね。

そして暦が真宵や余接になにか変態チックなことをしようとすると、暦の影から飛び出してきてケリを入れる忍のツッコミが面白いです。

怪異というのは人間の世界の理から外れた存在かと思っていたのですが、怪異の世界にも理があったとは意外でした。

八九寺真宵は見た目10歳くらいですが、交通事故で死んでから11年が経っているので、内面は20歳前後です。暦といるのが楽しくて成仏するのを引き延ばしていた彼女ですが、怪異の理から外れることはできなかったのですね。

“失礼、噛みました”というセリフから始まる暦との会話やじゃれ合いは何度も楽しませてくれましたが、それもここでもう読めないと思うと寂しいです。

お前と一緒に迷い続けてやるよっていう暦のセリフも泣かせますね。

しかも暦とは笑顔で別れようとする真宵は本当にいい子だなって思いますよ。

仕事の途中だと言っていた斧乃木は一体どんな仕事の途中だったのか?暦と神原が手伝ったという臥煙 伊豆湖(がえん いずこ)の仕事とは?一体どんな仕事だったのでしょうか。忍野扇の仕事とは?これらの謎は次巻の恋物語で明かされるのでしょうか。

ともかく僕も“戦場ヶ原と羽川とのラブシーンを見せつけられる刑”に処されてみたいですよ(///∇//)

 

鬼物語 (講談社BOX)
西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト)
2011年9月29日発売

2011年11月10日読了

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