花物語

“自分の内面を掘り下げる神原の生真面目さと青春らしい清々しさを感じます”

神原は猿の手のようなミイラを死別した死別した母親の形見として持っていた。その手はどんな願い事でも3つまで叶えられるが、その代償として身体と魂を 乗っ取るという怪異であった。以前神原は2つまで願をかけるが、阿良々木暦たちによって怪異に取り込まれることを逃れた。しかしその後遺症で左腕が毛むく じゃらで怪力を持った腕となり、怪我と偽り包帯を巻いて腕を隠し、エースであったバスケットボールからも引退した。

阿良々木暦や戦場ヶ原ひたぎ、羽川翼が卒業し、3年生に進級した直江津高校に残された神原駿河(かんばるするが)は、怪異に惹かれたものという共通点のある学生が学校からいなくなってしまったことに不安を抱きながら高校生活を送る。

そんなあるとき学校で“悪魔様”に相談すればどんな願いも叶えてくれるという噂が話題になっていることを耳にする。

神原は“悪魔様”という名になにか因縁めいたものを感じ、その正体をつきとめようとする。

 

さすが悪マーセント趣味で描かれた小説。これは本当に一連のシリーズなの?って疑ってしまいました。

いつもの感じであれば暦と駿河の変態度に磨きのかかった会話が楽しめると思いきや、駿河が他人がみている自分と、自分がみている自分とのギャップ、母との関係や怪異を背負ってしまったことの独白が続くとは意外でした。

自分は面白くないとか器用ではないとか思っていたり、あの人のイメージなど内生的な独白は元々は生真面目な神原らしいといえば神原らしいですね。

中盤の沼地の“」”のないセリフが延々と続くところは暗く重いですね。しかし、彼女の正体を知ったときは驚きです。

でも終盤に駿河が自分の気持ちにけじめを付け怪異との関係を断ち切るために、沼地に勝負を挑み、阿良々木先輩に髪を切ってもらうところは、スポーツに打ち込んできた神原らしい清々しい感じがします。

それにしても卒業祝いにニュービートルを買って貰えるって阿良々木先輩の家はなにげにリッチなんですね。そして妹たちとどんなただれた生活を送っているのかも気になりますよね。

 

花物語 (講談社BOX)
西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト)
2011年3月30日

2011年10月29日読了

コメントを残す