灼眼のシャナXXII

“壮大な物語の結末はなんだか清々しい感じがしました”


灼眼のシャナ〈22〉 (電撃文庫)

高橋 弥七郎 (著), いとう のいぢ (イラスト) 

電撃文庫

2011年10月8日発売

 

 あらすじ(電撃文庫&電撃文庫MAGAZINE公式ページより引用)

炎髪灼眼(シャナ)とミステス(悠二)の物語、ついに完結──!
“徒”の理想郷『無何有鏡(ザナドゥ)』創造を巡り、“祭礼の蛇”の代行体・坂井悠二と、フレイムヘイズ『炎髪灼眼の討ち手』シャナが、刃を交えていた。
その渦中、琥珀色の風が吹いた。
吉田一美が、宝具『ヒラルダ』へ願った想いを受け、“彩飄”フィレスが戦場に現れる。
一大決戦の舞台となった御崎市は、この転機と共に、激動を経て終幕へと向かう。
フィレスを呼んだ吉田。
生け贄のヘカテー、ほくそ笑むベルペオル、神殿を支えるシュドナイ。
襲来する“徒”を屠るカムシン、神殿上空に舞うヴィルヘルミナ、そこへ向かうマージョリー。
そして、対峙するシャナと悠二。
人間、“徒”、フレイムヘイズ。彼らが向かう先が、今ここで決まる。すべては、悠二とシャナの決着の行方にゆだねられていた──。
最終巻、ついに登場!

直前の数巻はフレイムヘイズと紅世の徒(ともがら)の戦いが大きなスケールで描かれていて迫力はありましたが、自分には状況の把握が難しかったので、この巻はどうなるのかちょっと心配なところもありました。

この巻では、主要なキャラクターに焦点をあてた物語の展開だったので分かりやすかったです。

これまでの宿敵だったサーレとダンタリオン、マージョリー&ヴィルヘルミナとシュドナイの戦いは決着がつかなかったように、フレイムヘイズと紅世の徒との戦いでどちらかが滅びるというものではなく、フレイムヘイズの願いも叶い、徒も別の世界で好きに生きていくという決着は思っていたよりもいい終わり方だと思います。

紅世の徒の中心的な組織“仮面舞踏会(バルマスケ)”の参謀ベルペオルが“仮面舞踏会は一旦散会だ”というのは、戦いをこれで終わりとする潔さと新世界「無何有鏡(ザナドゥ)」への希望を感じさせ、言ってみれば悪者なのにどこか清々しい感じがしました。

物語は戦いの終結を描いているばかりではなく、結構びっくりすることが多くて物語は多彩な内容です。でもいろいろ考えてみるとこれまでの長い物語の中でいろいろ伏線はあったのでしょうけど、忘れてしまっています。

自分としてはシャナと悠二の結末もよりも、永遠の恋人や一美の物語の方に魅力を感じました。

シャナと悠二は結ばれるという答えを持っていながらも、恋敵でもある友人(シャナ)と想い人(悠二)のために、自分の命を犠牲にする覚悟で“彩飄”フィレスから預かった宝具“ヒラルダ”を発動した彼女の気持ちは清らかで崇高に感じました。

 

あれだけ騒ぎの核となっていた零時迷子(まいごれいじ)をめぐる事の顛末は意外でした。それはきっとフィレスとヨーハンは二人がいつまでも一緒にいることよりも遙かに次元の高いことを願っていて、それがかなったからなのですね。

ずっと前の巻(アニメの2期の終わり)でクリスマスイブにシャナと一美は悠二がどちらを選ぶかを賭けに出てますが、悠二は祭礼の蛇の代行体となってしまい、シャナは悠二に思いを伝えることも、悠二の気持ちを知ることもずっとお預けでした。最後にやっと二人はお互いの気持を伝え合うことが出来たところなんかは、表紙のイラストのシャナの表情がよく表していると思います。(ということでいつもより表紙絵は大きいのを使ってます)

でも悠二にもシャナにも思いを伝えられず、好意にしていたフレイムヘイズのカムシンが死んでしまって一美は可哀想に思います。

ヴィルヘルミナが預かった子どものことや、ゆかりがなぜか知っている近所の身重な女性を訪ねてみようというのは、運命が螺旋のようにめぐっていると思わせます。

僕がライトノベルを読むようになった頃から読んでいた作品も終わりとなると感慨深いです。

まだ外伝が1巻出るとのことですが、この物語は9年間に渡って書かれてきたということです。高橋弥七郎先生、いとうのいぢ先生長い間どうもありがとうございました。

いとうのいぢ先生の描くシャナは華奢な少女の可愛らしさと、フレイムヘイズとしての強さ両方をうまく表すキャラクターになっていてとても好きです。

ちょうどシリーズ終盤のフレイムヘイズと紅世の徒の戦いを描いたアニメ“灼眼のシャナF(ファイナル)”も放映されています。こちらもどんな展開になるのか楽しみですね。

「灼眼のシャナXXII」への3件のフィードバック

  1. ピンバック: ゲーム漬け

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