隠された日記 母たち、娘たち

【ストーリー】

カナダで働く女性オドレイ(マリナ・ハンズ)は、フランスの片田舎に帰省します。オドレイは仕事に生きる女性で、恋人でもない人との子どもを妊娠し、産み育てるか堕胎するか悩みます。

自宅で開業医の医師として忙しく働くオドレイの母親マルティーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、オドレイとなかなか打ち解けることができません。

オドレイは患者の出入りがうるさく仕事に集中できないため、海辺にある亡き祖父の家で過ごすことにします。

そしてオドレイはその家のキッチンで古いレシピ帳を見つけます。それはかつて突然姿を消した祖母ルイーズ(マリ・ジョゼ・クローズ)が書いたもので、レシピだけではなく彼女の気持ちが書かれた日記でもありました。

 

【映画を観て】

感想などをあれこれ書く前にもう一度3世代の女性像について整理しておこうと思います。

ルイーズ(祖母):仕立屋の夫を持ち、貞淑な妻であり子ども達の母親でもあります。ですが家庭のことだけに縛られずに仕事をしたいと思っていますが夫から猛反対を受けます。女性は家庭のことだけやっているのがよしとされた時代の人。

マルティーヌ(母):医師として忙しく働くが、母親と過ごした時間が短く、娘とどう接していいか戸惑います。女性が社会に進出するようになったけれど苦労が多い時代を生きてきた人。

オドレイ(娘):仕事に生きたいと思いながら、恋人でもない男との子どもを妊娠してしまい、仕事をしながら母親になれるかどうかの不安から、子どもを産むことに悩みます。今時のキャリアを積んだシングルマザー予備軍とも言える人。

 

三世代の母と娘はいずれも仕事をして自立しようという共通点はあるものの、それぞれが家族との関係に悩みを抱えています。

マルティーヌはルイーズに勉強を頑張って仕事をして自立できるような女性になってほしいと願います。それを実践してきたマルティーヌはルイーズと同じようにオドレイを育ててきたのですね。

マルティーヌは母親に捨てられたという気持ちが強く、家族との温和な関係がうまく作れなかったのかもしれません。そして、そのことがオドレイが母親になることに不安に感じる気持ちにつながっているようにも思います。

 

ルイーズが登場する場面の中にオドレイもいるという手法は面白いと思います。

オドレイが祖父の家でルイーズが生活していた頃の幻想を見るシーンは、単に日記を読んでその時の状況を想像していただけなのでしょうか?

ルイーズの様子に、オドレイが自分が思う生き方や、母親になったら自分はどう生きていったらいいんだろうかという不安を重ねあわせているのだと思います。そのことが二人を同じ空間、同じ時間に一緒に画面に登場させることで表現されているように感じます。

 

カトリーヌ・ドヌーヴの歳を重ねても華のある存在感は言うまでもないと思いますが、マリナ・ハンズのオドレイの内面を素直にさらけ出すような演技や、マリ・ジョゼ・クローズの自分の気持と夫からの束縛の間で葛藤する役作りがよかったです。

また、祖父の家や海岸の風景、三人の女性の普段着はなかなかよかったです。特にルイーズの衣装は清楚で聡明な感じで素敵でした。

この映画は昨年の10月から公開が始まっていて、残念ながら新潟での上映(9/30まで)の後は長野の上映で最後となるようです。

 

原題:Mères et filles

監督:ジュリー・ロペス=クルヴァル

脚本:ソフィー・イエット 、ジュリー・ロペス=クルヴァル

2009年フランス・カナダ作品

2011年09月24日(土)新潟・市民映画館シネ・ウインドにて鑑賞

 

 

隠された日記~母たち、娘たち~ [DVD]

 

「隠された日記 母たち、娘たち」への7件のフィードバック

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