猫物語(白)


猫物語 (白)
西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト)

講談社BOX

2010年10月27日発売

 

【あらすじ】

夏休みが終わり、新学期が始まり学校へ向かう途中、羽川翼は虎に出会います。

始業式が終わり教室は翼の家の方から火の手が上がっていると大騒ぎになります。

翼が早退して家に帰ってみると、家は全焼していました。

両親との仲がうまくいっていない翼は、仮住まいが見つかるまで両親と離れて、忍野メメや忍野忍が寝泊まりしていた学習塾の廃墟に野宿をすることにしたのですが、その翌日その廃墟も火事で燃えてしまいます。

翼はその後戦場ヶ原ひたぎのアパートや暦が不在の阿良々木家に泊めてもらいながら、怪異そのものとなってしまった自分の内面、そしてもう一人の自分でもあるブラック羽川と対峙します。

 

【感想】

今回はいつもの主人公兼ストーリーテラーの阿良々木暦はずっと学校は欠席のまま家にも帰らず、ラストまで登場しません。よっていつもの変態度特盛の暦とヒロインの会話はありませんでした。

この物語は羽川翼の視点から描かれています。

これまではヒロイン同士の会話というのがあまりなかったので、ひたぎやファイヤーシスターズ(暦の二人の妹)との会話は新鮮で和みました。でもひたぎは更生でデレになったと以前ありましたが、毒気が抜けたというより、違う方向へ向けられたような気もします。

翼が彼女たちや出会った人との会話から、今まで目を逸らしてきた自分の気持ちに気づき、ブラック羽川に助けを求めるまでの過程は、誰にでも持っている心の闇の部分を投射しているようで苦々しい気分になりました。

ブラック羽川へあてた手紙は本当に翼のあふれる思いがとつとつと語られていて、読み応えがありました。

その後のブラック羽川の自分がどうなっても翼を救おうという意気込みは熱くなりましたし、今回何をしていたのかが気になる暦の最後の登場はかっこよかったです。

最後にようやく本来の自分らしさを取り戻すためのスタート地点に立ち、暦に失恋し、ひたぎと打ち解けることができて、物語シリーズではめずらしくハッピーエンドという感じがしましたね。

それにしても最後になるまで登場しなかった暦や、冒頭で暦に連行され、トレードマークのリュックまで忘れてきた真宵は何をやっていたのか気になります。この先でそこは明らかにされるのでしょうか楽しみです。

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