“夕顔”ヒカルが地球にいたころ(2)

“夕顔” ヒカルが地球にいたころ……(2)

野村 美月 (著), 竹岡 美穂 (イラスト) 

電撃文庫

2011年08月29日発売

 

“文学少女”シリーズに続く、“ヒカルが地球にいたころ……”の2巻です。“文学少女”シリーズに続いて野村先生、竹岡先生のコンビです。

シリーズの設定は主人公の“赤木是光(これみつ)”は真面目ですが、赤い髪や鋭い目付きなどの外見からヤンキーと呼ばれてしまい、彼女どころか友達もいない高校生です。

そんな是光に謎包まれて死んでしまった“帝門ヒカル”が幽霊になってとり憑いてしまいます。

生前多くの女性と付き合いのあったヒカルは是光に女の子達との約束を自分の代わりに果たして欲しいと頼むというものです。

 

【あらすじ】

ヒカルは是光に“夕雨(ゆう)”という女の子との約束を果たして欲しいと頼みます。

夕雨はある事件をきっかけにひきこもりになってしまいます。そんな夕雨のところへちょくちょく訪れては夕雨の心休まる話をしていたのがヒカルでした。

夕雨は内気な女の子で、自分だけの世界の中で優しく微笑む様子をヒカルは夜にだけ咲く儚いユウガオの花のようだと例えます。

是光は「ヒカルが死ぬ前に自分の代わりに夕雨との約束をはたしてほしいと頼まれた」と夕雨のところを訪ねます。

しかし、ヒカルは是光に約束の内容を言いません。また、夕雨はヒカルとの約束がたくさんありすぎてどの約束のことを言っているのか分からないといった様子です。

ヒカルとは対照的に女嫌いの是光は夕雨にどう接していいかわからないながらも、彼女を何度も訪ねるうちに夕雨のことが気になってしかたないという感じになってしまいます。

 

【感想】

この巻は是光がとにかく真っ直ぐで青春してるって感じでいいと思いました。

なりふりかまわず夕雨に何かしてあげる実直さや、女の子のことがわからないから教えて欲しいと帆夏(是光と同じクラスの女の子)に頭を下げたりする潔さとか、好感が持てますね。

また今回のヒロインの夕雨のはかない感じや少しずつ是光にひかれて行くところもいいですね。

是光の初恋はとても情熱的かつ儚いものでしたが、二人の気持ちは本物だったに違いありません。

自分の気持を抑えて夕雨を見守ってきた頭条の禁欲的な恋心も是光の情熱的な恋と対極的ですごいですね。本編では無口で威圧的なイメージなのに、エピローグ後のショートストーリーで「お兄ちゃんは、許さないぞ」とのギャップがいいですね。

腹黒さを見せたひいなや、ヒカルについての秘密を知っていそうな朝衣の様子はこれからの物語を大きく動かしていくような予感がしますし、エピローグの最後の独白にはドキっとしますね。どんなハラハラドキドキが待っているか次の巻が待てません。

今回は帆夏が是光のことを意識していく様子に萌えました。

文章も面白かったですけど、竹岡葉月先生の夕雨のイラストは本当に素敵でした。

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