ツリー・オブ・ライフ

お盆のお休みはいかがお過ごしですか?

僕は夏休みはないのでカレンダー通り仕事に行っています。

休もうと思えば休めるのですが、時給制で働いているので休んだ分給料が少なくなるので休まないでいます。

12日(金)は健康診断だったので、一日有給休暇をとって、健康診断が終わってから実家のお墓にお参りに行ってきました。

休みで家にいると邪魔もの扱いされて居場所がないので、土曜日に今年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したと話題になっている映画“ツリー・オブ・ライフ”を観に行ってきました。

 

まずどんな話なのかを書いてみようと思いますが、正直掴みどころが難しい作品でした。逆に言えば、どんなストーリーなのか、どのように感じたのかは観る人によってすごくバラバラになる映画だったのではないかと感じています。

また、一回観ただけではよく分からないようにも思いますし、2回目に観たときは1回目と全く違う受け止め方をするような気もします。

公式サイトや映画紹介のサイト、いろんな方の映画評論サイトとは異なる所があると思いますが、自分なりに少し書いてみたいと思います。

 

【ストーリー】

事業に成功したジャックはどことなく心に苦しさを感じながら日々を送っています。自分が辛くなったときに子どもの頃のことを思い出します。

愛情豊かに自分に接していた母親からは、善き人であるようにと教えられてきます。

一方で、厳格な父親は頭ごなしに自分のルールを押し付け、自分のように人生で挫折せず成功するには、力(=多少の悪)が必要なんだと教えます。

ジャックは成長するにつれ、父親の一方的すぎるやり方に反発する気持ちが強くなっていくのでした。

そんなことを回想していたジャックは、やはり自分の人生の根幹には家族と暮らした子供の頃のことが強く影響されているのだと感じます。

 

【感想】

まず、この映画を観て思ったのは、映像と音楽がとても美しいということです。

監督のテレンス・マリックの作品は昔「シン・レッドライン」という太平洋戦争でのガダルカナル島の戦いを描いた作品を観ました。テレビ放映を録画したものをぼんやり眺めていた程度だったのでストーリーはよく覚えていませんが、生きるか死ぬかの厳しい戦いなのに、映像がとても美しかったという印象がぼんやり残っています。

 

宣伝などではブラット・ピット、ショーン・ペンが大きくうたわれていますが、少年時代のジャックを演じたハンター・マクラケンは母親の愛情を求める無邪気さと、父親に反発する気持ちの間で大きく揺れる様子をうまく演じていたと思いますし、母親役のジェシカ・チャステインの可愛らしく透明感のある演技、それぞれビッグネームに負けないほど素晴らしかったです。

また大人になったジャックを演じるショーン・ペンは登場シーンは少ないものの、空虚さを抱き苦しむ様子、そして家族との邂逅はとても存在感のあるものでした。

 

劇中では「世俗に生きるか、神の恩寵に生きるか(原文はthe way of nature and the way of grace)」とセリフが流れます。

これが父親(=世俗的な成功を望む)と母親(=純粋な愛情)それぞれの子どもたちへの接し方の違いを表しているのではないかと思います。

この2つの価値観は相反していますが、どちらも生きて行くには必要なもので、ジャックはこの2つの価値観の間で心が大きく揺れ動ごく少年時代を送ったのではないかと想像します。

 

後であれこれ調べてみましたが、タイトルの「ツリー・オブ・ライフ」とは旧約聖書に出てくるエデンの園に植えられた生命の木のことで、その実を食べると神のような永遠の命を得ることができるとサれているものということです。また、冒頭では旧約聖書のヨブ記の一節が流れたり、劇中でも教会では神父が聖書を基に教えを説いたりしているなど宗教的な思想もこの映画のバックボーンになっていると思います。

この映画での生命の木とはジャックの家族と幸せに暮らしていた頃の記憶で、その記憶は時間を超えて永遠であり、結局は自分はそこに回帰していくということを意味しているのではないかと思います。

 

冒頭では地球創生から生命の誕生と進化を描いた場面がかなり長く続いていたり、またこれらのシーンもジャックの少年時代のシーンにカット・インされたりしています。恥ずかしながらお昼ごはんを食べた後で観たので、冒頭のシーンは映画とは違う世界に行ってしまってました。

これらの映像がジャックとどう結びつくのかはなかなかうまく言い表すのが難しいです。大人になったジャックが子どもの頃を思い出すだけではなく、もっと掘り下げて自分の存在そのものについて思いを巡らして行き着くところなのかもしれません。

 

今まで観た映画の中で最も難解というか、つかみどころが難しい作品なのですが、不思議と惹かれる作品でした。

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