映画“海炭市叙景”

3月19日(土)に観てきました。

この日は久しぶりに暖かくなったので、コートも薄手のもので出かけてきました。

街角には被災地支援のための街頭募金もたくさん見られました。

自分の休みを使って街頭に立って声をかける。やっている方は善意でしょうけど、集めた募金がどこの組織に行くのかを訊ねてもよくわからないという方も多いようです。募金できる額はわずかですがそれでも効果的に使って欲しいので、募金の行方がよくわからない募金活動には募金を控えています。

朝は電車は普通に動いていますが、日中や夕方は停電や節電の影響で電車の遅れや運休があるので、朝の時間帯以外は早めに出かけるのがいいと思います。

 

さて、本題です。 この作品は1990年に自死を遂げた作家、佐藤泰志(1949-90)の遺作となった短編連作を映画化したものです。

舞台は原作者の故郷である函館市をモデルとした北国の海辺の町「海炭市(かいたんし)」です。

 

【あらすじ】 造船所の経営難で仕事を失った兄妹。 町の再開発のため立退きを迫られる独り暮らしの老婆。 水商売の妻の浮気を疑い怒りを積もらせるプラネタリウム職員の男。 父親から引き継いだプロパンガス販売の仕事や再婚で築いた家庭のことがうまくいかずイライラする男。 東京から故郷に出張に来ているが実家の父親とは疎遠な男と路面電車の運転手のその父。   そんな人達の暮らしをオムニバス形式で淡々とかつ繊細に描いた映画です。

 

【感想】

この映画を知ったのは、予告編を観てのことでした。「叙景」という言葉が引っかかっていて観てみようと思いました。

叙景とは“風景を文章に書き表すこと。”(kotobank.jp デジタル大辞泉より)ということです。

映画を観た後に調べてみて、うーんなるほど納得っていう感じがしました。

まさにこの映画にピッタリの言葉だと思いました。

音楽で言うとピアノソナタというよりは小品集と言ったほうが分かりやすいと思います。

この映画では風景は観光写真のようにきれいなものではなく、寂れて行く地方の海炭町で暮らす人々の日常そのものです。

出てくる人たちはそれぞれに悩みや苦しみ、不安を抱える普通の人です。

冬の寂れた街の雰囲気、静寂なトーンの映像や繊細な演技でそこに暮らす人の息遣いや鼓動まで聞こえてきそうな感じがします。

話ははっきり言って暗く重々しい感じがします。

でもこの映画を観ていて重々しいとか暗いとかいう感じはせず、知らないうちに自分が作品に引きこまれて、この次はどうなるんだろうと惹きつけられる不思議な感じの作品でした。

多分誰もが少なからず持っている不安や苦しみ、何となく自分の中にある寂れた地方の心象風景なんかと重なってくるからなんだと思います。

この作品を観終わった後はなんとなく落ち着いているというか、心地良い感じがします。

演出や演技もよかったですが、ジム・オルークという人の音楽が素晴らしい。

映画“海炭市叙景”公式サイト http://www.kaitanshi.com/

 

おまけ

昨晩(3月20日)は午前3時ころに満月になり、午前4時頃に地球と月の距離が最も近くなるという「エクストラ・スーパー・ムーン」ということでした。 自分も是非見てみようとワクワクして夜更かししてしまいました。 でも本当にいつもよりも大きく輝きも強い月に感じました。

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