映画“あの夏の子供たち”

10月12日に仕事が終わってから観てきました。

幸せに暮らす映画プロデューサーの父親と奥さんと娘3人の物語。

彼は一日中途切れることなく携帯で電話をしまくりながらも、家に帰ると家族に深い愛情を持って接します。

製作中の映画の制作費が膨らみ、いろんなところへの負債で八方塞がりになり父親は自殺します。

父親の仕事仲間は、映画プロデューサーの手腕は今ひとつだが、なぜか人を惹きつける力がある。と彼のことを話します。

「死は人生の数あるできごとのひとつ。パパの愛の深さを忘れないで」と夫の生きてきた証を映画にしようと頑張る妻、父親が今の家庭を築く前にできてしまった子どものことを知りその母子に逢いに行くことで父親の死を受け止めようとする長女など、残された家族は彼が生きてきたこととその死をそれぞれに受け入れようと悩みます。

しかし、資金難で映画の製作は中止、彼の会社は清算されてしまい、彼女たちはケ・セ・ラ・セラの曲とともに新たな人生を歩み始めます。

日本の映画やドラマなら映画を完成させてハッピーエンドみたいな感じになるのかなと思いますが、父親の死に対して妙に感傷的になったり、押し付けがましくもなく淡々とストーリーは流れていきます。

郊外の風景、パリの雑踏などが美しい映像、登場人物の自然な感じの表情がメリハリをつけて構成されていて、なかなかに情感深い作品となっています。

長女役のアリス・ド・ランクザンの演技はなかなかよくて、これからが楽しみです。

また、脚本・監督はまだ20代のミア・ハンセン=ラブという女優や映画批評家もやっていたことがあるそうです。人の死や事業の失敗など大げさに演出するのではなく、あたかもドキュメンタリーのように現実感のある作品に仕上げた手腕は見事だと思います。

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