映画“日本のいちばん長い夏”

11月27日土曜日は風もなく晴天でした。前の日まで出張でちょっと疲れていましたけど、例によって気分転換ということで映画を観に行って来ました。

この日観た映画は「日本のいちばん長い夏」です。(監督・脚本は倉内均(代表作佐賀のがばいばあちゃんなど))

公式ページはこちらです。

全国の主要都市では8月に上映ということで、前売り券も買ってあったのですが新潟ではようやく上映です。

この映画は昭和38年に文藝春秋に掲載された終戦をテーマにした座談会を再現するドキュメンタリー番組を制作するというものです。

この座談会は終戦当時に政府や軍部の中枢部にいた官僚、報道関係者、最前線に送られた一兵卒、特攻を志願しながら生き残った人、沖縄戦で看護婦として従事し生き残った女性など28人が一同に会してそれぞれが終戦をどう捉えているかを語り合うものでした。

この映画の面白いのは、現在第一線で活躍するジャーナリストや作家たちが当時の座談会に出席した人を演じてその座談会での発言を再現する「文士劇」という手法を用いていることでした。

座談会の出席者とその配役については公式ページをご覧ください。

本業の俳優ではないこともあり演技はぎこちないところがありますが、彼らは単に与えられた台本を演じるだけではなく、当時起こっていたことや座談会に出席した人(自分の配役)のことをそれぞれによく調べ役作りをしています。

戦争体験の有無に関わらず、それを語らせたらそれぞれ独自の視点の興味深い発言ができる人々が、あえて演者になり座談会の発言を再現するというのは演技の上手い、下手とは違った重みが感じられます。

冒頭と終わりにはこの座談会を企画した当時文藝春秋編集者の半藤一利氏が当時どんな思いでこの座談会を企画したかなどのインタビューも収録されています。

また、ところどころ出演者本人の終戦の体験や親から聞いた話などを語る場面も盛り込まれていて、この映画の手法の面白みを強調しています。(もちろん発言内容も興味深いのですが)

座談会の内容から感じたことは、国家の政策は客観的な情報収集分析を重視せず、国家万民のため正しいことを主張する少数の声はメディアや世論に流されてしまっている。というのは当時も今も変わらないのではないかということです。

この映画のキーワードは「バトン」だと思います。私たちは祖父母や両親などの戦争体験を受け継ぐことができず、そのことを未来への教訓としてを受け継げていなかったのではないか。一人一人が過去の出来事から得られた教訓を未来に活かしていかなければいけないんだ。などという問題提起をしてくれています。

また、この映画封切当時に行われた半藤氏と出演者の一人である富野由悠季氏の対談の一部もYoutubeにアップされています。

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